
2020年度の高卒認定試験は、終了しました。
「高等学校卒業程度認定試験」(旧・大検、通称・高卒認定試験)というものを、ご存知でしょうか?
- 「”高卒認定試験”って聞いたことはあるけど、どんな試験なんだろう?」
- 「合格すると、どうなるの?」
- 「受けるのに、いくらかかるんだろう?」
そんな疑問をお持ちの方のために、
- 高卒認定試験に合格して得られるメリット
- 高卒認定試験の概要
をお伝えしたいと思います。

高卒認定試験に合格すると、どんなメリットがあるの?

合格すると高校卒業者と同等以上の学力があると認められて以下のようなメリットがあります
- 大学・短大・専門学校受験資格を得られる
- 就職に活かせる
- 資格試験に活かせる
高卒認定試験合格者を高校卒業者と同等とみなして、受験できる採用試験・国家試験があります。
例えば以下のようなものがあります(詳しくはこちらをどうぞ→文科省 高認試験Q&Aの11.その他です)
50コほどあるので、その一部です。(2020年11月時点)
人事院 | 国家公務員採用一般職試験(高卒者試験) |
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人事院 | 皇宮護衛官採用試験(高卒程度試験) (護衛官の区分に限る) |
人事院 | 気象大学校学生採用試験 |
防衛省 | 防衛大学校学生採用試験 |
衆議院 | 衆議院事務局職員採用衛視試験 |
文部科学省 | 小学校教員資格認定試験 |
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厚生労働省 | 保育士試験 |
国土交通省 | 1級建築施工管理技術検定試験 |
農林水産省 | 動物用医薬品登録販売者試験 (都道府県において実施) |
文部科学省 | 司書補(試験はないが、講習を受ける必要あり) |
※実務従事の経験が求められるものもあるため、詳細は担当の各府省庁にご確認をお願いします。
\文部科学省の公式HPはこちら/
高卒認定試験って、どんなもの?

Q.どれくらいの頻度でやってる試験なの?
A.年に2回、実施されています。(8月と11月)
【第1回】…終了
受験案内配布 | 2020年4月6日(月)~ |
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出願期間 | 2020年4月6日(月)~5月12日(火) |
試験日 | 2020年8月12日(水)・13日(木) |
結果通知 | 2020年9月8日(火)発送予定 |
【第2回】…終了
受験案内配布 | 2020年7月20日(月)~ |
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出願期間 | 2020年7月20日(月)~9月14日(月) |
試験日 | 2020年11月7日(土)・8日(日) |
結果通知 | 2020年12月7日(月)発送予定 |
4月と7月に入ってから受験案内の配布が始まるので、受験するかもしれない場合、頭のかたすみに入れておくと良いかもしれません。
Q.受験料はいくらなの?
A.受験する科目数で変わってきます。MAXで8,500円です。
受験する際には、受験料に応じた収入印紙が必要になります。
7科目以上 | 8,500円 |
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4科目以上6科目以下 | 6,500円 |
3科目以下 | 4,500円 |
Q.受験科目数に幅があるのは、なぜ?
A.目的に応じて、受験科目数が変わってくるためです。
- 高卒認定試験に合格するのが目的だと、8~10科目受ける必要があります。(選択科目によって必要な数が変わります)※①
- 高校の単位認定が目的だと、必要な科目のみ受験すればOKです。※②
※①→高校で既に取得した単位によって、科目が一部免除される場合があります。また、一度合格した科目は次回以降は免除されます。
※②→高校の単位認定に高認試験が認められるかどうかは、各学校長の判断となるため、受験前に在籍している高校に確認しましょう。
国語 | 必修 |
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2科目のいずれか1科目必修 |
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4科目のうちいずれか1科目必修 |
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↑上記のいずれか必修 |
数学 | 必修 |
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①「科学と人間生活」の1科目と「物理基礎」、「化学基礎」、 「生物基礎」、「地学基礎」のうち1科目(合計2科目) ②「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」 のうち3科目(合計3科目)上記のいずれかが必修 |
英語 | 必修 |
Q.合格したら、最終学歴は「高卒」になるの?
A.合格しても、高校を卒業したことにはなりません。
認定されるのは、「高校を卒業した人と同等以上の学力がある」ということについてです。
Q.1回で受験科目オールクリアしないと、ダメ?
A.1回でオールクリアできなくても、大丈夫です。
合格した科目は、次回以降の試験では免除となります。
合格科目の有効期限もないので、何度でも試験にチャレンジできます。
Q.出題範囲は?
A.例えば、「数学」なら、出題範囲に対応する教科書は、『数学Ⅰ』です。高校3年間の学習内容すべてが範囲なわけではありません。
各科目の出題範囲に対応する教科書は以下の通りです。
国語 | 「国語総合」※古文・漢文を含む ★ |
---|---|
世界史A | 「世界史A」 ★ |
世界史B | 「世界史B」 ★ |
日本史A | 「日本史A」 ★ |
日本史B | 「日本史B」 ★ |
地理A | 「地理A」 ★ |
地理B | 「地理B」 ★ |
現代社会 | 「現代社会」 ★ |
倫理 | 「倫理」 ★ |
政治・経済 | 「政治・経済」 ★ |
数学 | 「数学Ⅰ」 ☆ |
科学と人間生活 | 「科学と人間生活」 ☆ |
物理基礎 | 「物理基礎」 ☆ |
化学基礎 | 「化学基礎」 ☆ |
生物基礎 | 「生物基礎」 ☆ |
地学基礎 | 「地学基礎」 ☆ |
英語 | 「コミュニケーション英語Ⅰ」 ★ |
★…平成25年度4月以降の高校入学者が使用している教科書
☆…平成24年度4月以降の高校入学者が使用している教科書
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Q.どうやって対策すれば良いかな?
A.基本的には教科書+過去問で良いと思います。
必要に応じて、通信講座や予備校を検討しても良いかもしれません。
これは、シンプルに試験の出題範囲の内容がどれくらい身についているかによると思います。
①出題範囲の内容がある程度、身についている場合
過去問を解いてみて、苦手なところを教科書で勉強し直す、
「過去問⇔教科書」の往復で、基本良いと思います。
②出題範囲の内容に自信がない or 勉強したことがない
もちろん「教科書+過去問」の自学自習で取り組むのも良いと思いますが、一度も習ったことのないものを自力で勉強するのは、なかなか大変ですよね。
「高認試験」対策の講座をしている通信教育や予備校などあるので、自分に合ったものを探してみても良いと思います。
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Q.試験の形式は?
A.全てマークシート形式です。
選択肢4~5つのなかから、正解だと思う番号をマークしていきます。
記述問題はありません。
仮に全然分からない問題があっても、解答できるので1問たりとも逃すことなくマークしましょう!
まとめ
合格すると高校卒業者と同等以上の学力があると認められて以下のようなメリットがあります
- 大学・短大・専門学校受験資格を得られる
- 就職に活かせる
- 資格試験に活かせる
- 年に2回、実施されている
- 受験料は、受験する科目数で変わる(MAXで8,500円)
- 目的に応じて、受験科目数が変わる
- 合格しても、最終学歴は高卒にはならない
- 1回で合格できなくても、大丈夫
- 出題範囲は、各科目の対応教科書をチェック
- 対策は、教科書+過去問。必要に応じて、通信講座や予備校を考えて良いかも
- 全てマークシート形式
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