本記事では、文部科学省が行っている
「地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業」
とは、どんなものなのかについて書いていきます。
地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業とは?
・高校中退者等が高校卒業程度の学力を身につけて、進学や就職等それぞれの進路に向かう際のチャンスを最大化するための支援のモデルとなる地方公共団体等の取り組みを実践研究し、その成果の全国展開を図るための事業
・2017年(平成29年)度から始まった
今は限られた地域で行われている支援ですが、今後全国に広がっていくことが期待されます。
高校卒業資格がない場合、進学や就職を考えたときに機会が限られてしまう可能性があり、都道府県・市町村も高校中退者等について十分には把握しておらず、支援ができていない現状があったため。
2019年 | 札幌市、群馬県、高知県 |
2020年 | 札幌市、益田市、高知県 |
参考 学びを通じたステップアップ支援促進事業について:文部科学省
地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業を活用した自治体はどんな取り組みをしている?
事業を活用した自治体は実際にどのような取り組みをしたのでしょうか。
2020年度の
- 札幌市
- 益田市
- 高知県
の取り組みを見てみたいと思います。
継続して実施している札幌市と高知県は現状把握から一歩先へ進んで、具体的な支援に向かっていますね。
参照情報 学びを通じたステップアップ支援促進事業について:文部科学省
札幌市
- 学習相談で、悩みや将来に対する考えを聴き、目標設定
- 学力や目標に合わせてた教材と学習計画で、週1回(2時間)の学習支援
- 希望者には、メールやLINEを活用した学習相談・学習支援
- 試験合格後も、次の進路に向けた支援
【R2年10月末時点実績】
学習相談 延べ188回
学習支援 7会場・参加実人数39人
(延べ参加数365人)
高認試験受験者17名中16名が合格
(資格取得8名・科目合格8名)札幌市発表資料より引用
益田市
- 公立高校2校、私立高校2校、公立養護学校1校にヒアリング(状況確認と、中退してしまう要因等について聞き取り)
- 各校の先生とアクションプランを作成
- 教員向け研修会、生徒との個別相談を実施
・学習支援・・・高校1年生1名、週2回
・個別相談・・・高校1年生1名、2年生1名益田市発表資料より引用
高知県
- 若者サポートステーションの利用者を対象に、学習相談、学習支援
- 高卒認定試験合格後においても継続した支援をサポステ事業で実施
・前年度からの在籍者数60名、R2年度新規登録者数37名(10月末現在)
・学習相談延べ614件、実人数87名、 学習支援延べ270件、実人数26名
・第1回高卒認定試験受験者数10名(県全体65名)、合格者数2名
第2回高卒認定試験受験者数21名(県全体94名)、
・就労決定17名(正規1、非正規16)、修学8名(進学5、復学1、高認2)
リファー(他機関への誘導)2名、その他支援終了4名高知県発表資料より引用
地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業について:まとめ
高卒資格を持たない人をサポートする自治体の取り組みを国が支援するもの。その成果の全国展開をはかる。
このような取り組みが全国的に広がって、高校をやめたりして悩んでいる方が気軽に行けるような場所でサポートが受けられるようになると良いなと思います。
オンラインでのサポートも充実していってほしいです。